夏の暑さが続くある日、市役所にかかってきた一本の電話。あどけなさを感じるその声によく耳を傾けると、
電話の相手はなんと中学生。
話を聴けば、夏休みの宿題で友達といっしょに三重県にまつわる新聞を作ることになり、
そのトピックとしてにぎわいの森を取り上げたいというのだ。
「にぎわいの森のお店の人とお話しがしたいんです」
言葉を選びながらも、電話越しに精一杯思いを伝えてくれた。この思いに応えない訳にはいかない。
早速いくつかの店舗の方と日程を調整して、いざ迎えた取材本番。
当日やってきたのは電話をかけてきてくれた市川桜妃さんと、そのお友達の山本佳乃子さん、鈴木佑菜さん。
3人とも今年小学校を卒業し、中学校に入ったばかりのピカピカの1年生だ。「よろしくお願いします」と
挨拶をする声にも、まだ初々しさが残っていた。
今回3人が取材したのは、「ロブ いなべヒュッテ」の川瀬店長と「魔法のぱん」の西川店長のお二人。
取材開始当初は、初めて会う人ということもあってか、3人ともやはり少し緊張気味の様子。
それでも事前に用意してきた質問を順番に聞き、インタビューを進めていく。
(左から順に:山本佳乃子さん、市川桜妃さん、鈴木佑菜さん)
「ここには1日どれぐらいの人が来ているんですか」「パンケーキを作るのにかかる時間はどれくらいですか」
「人気の食パンはどのように作られているんですか」など、たくさんの質問を考えてきてくれた。
それにお店の人も真摯に応えながら、自身のお店やモノ作りへの思いを語っていた。3人とも店長お二人の話を
懸命に聴き、本物の記者さながら必死にメモをとっていく。
一方で取材の休憩中には、友達同士おしゃべりをする場面も。その様子に自分が中学生だった頃、
友達と集まって何気ない会話をしながら、夏休みの宿題をこなしていたことを思い出し、懐かしさがこみ上げてきた。
やっと取材が終わると、3人とも緊張から解放され、にっこり笑顔を見せてくれた。
自分たちの疑問の答えを、自分たちの足で見つけにいく。
その姿勢は本当に素晴らしい。
今回の経験を通して、この子たちは何を学び取ったのだろうか。働く姿をみて、何を思っただろうか。
どうか少しでも自分が住むまちについて、そして自分の未来の姿を考えるきっかけになれば嬉しく思う。
【Credit】
〈撮影場所〉
いなべ市役所 シビックコア棟
〈取材撮影ご協力〉
北勢中学校1年生 市川桜妃さん、鈴木佑菜さん、山本佳乃子さん
〈撮影・取材〉
いなべ市役所 企画部 政策課