一目見ただけで思わず「かわいい!」と声に出してしまう。
そんな作品を作り出す職人が藤原町篠立にいる。
それが竹廣 敦(たけひろ おさむ)さん。
ウッドターニングと呼ばれる技術で、木の器・ボールペン・小物入れ等の木工作品を製作している。
※ウッドターニング:木工旋盤で、木材を回転させて刃物で削る技術のこと。
ウッドターニングをする人のことをウッドターナーと呼ぶ。
竹廣さんは元々広島県の出身で、就職を機にいなべ市にやってきた。
ウッドターニングとの出会いは、約20年前。
自宅を建てた際、知り合った社長さんにそういった技術があることを教えてもらったのがきっかけだ。
竹廣さんはこの技術を習得するため、会社勤めをする傍ら、独学で一から勉強を始めた。
ウッドターニングは欧米では古くから行われてきた技術だが、当時の日本ではまだまだマイナー。
そのため当時頼ることができたのは、専門の洋書のみだったそうだ。
それらを読み解きつつ、試行錯誤を続ける日々。
それでも解らないときは県外にいる数少ないウッドターナーを訪問して教えてもらったりもしたという。
そうした努力を積み重ねた末に、技術を手にした竹廣さんは一年半前に会社を退職し、
本格的に作品製作を開始した。
現在は自ら工房を構える一方、今年5月から工房併設のミニログハウスで、作品の展示・販売も行っている。
作品の一部はオンラインショップでも販売しているそうだ。
工房に入ってみると、専用の機械と工具がたくさん。
この機械は木工旋盤といいカナダ製のもの。
奥には直径60cmまで挽ける大型の木工旋盤が設置されている。
これに様々な樹種、形の木材をセットし、回転させながらターニングツールという専用の刃物で大胆かつ繊細に削り、
丸く形を作っていく。
そうした工程を積み重ね、最終的にサンドペーパーで磨きをかけ塗装して完成。
ハウスのなかでは、作品たちがずらりと並んでお待ちかね。
一つ一つ丁寧かつ精巧に作られた作品たちからは、木材が持つ独特の味わいが感じられる。
なかにはニンジンやどんぐりなど、私たちの身の回りにあるモノを模した作品も。
見ているだけで心を温かくしてくれるデザインの作品ばかりだ。
「見て触って楽しい作品を作っていきたい」自らの作品のコンセプトを語る竹廣さん。
次にその手から生み出される作品は、どんなアイディアに溢れているのだろうか。
【Credit】
〈撮影場所〉
いなべ市藤原町篠立
※ミニログハウス:OPEN/土曜日、日曜日 12:00~15:00
上記以外の時間でもご連絡頂ければ、OPEN致します。
都合により、予告なくCLOSEの場合もございます。
詳細はホームページをご確認ください。
〈取材撮影ご協力〉
竹廣 敦さん
〈撮影・取材〉
いなべ市役所 企画部 政策課