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Inabeな人々|豆腐工房「安心食品の店」

豆腐工房「安心食品の店」のこだわり 代表の伊藤則夫さんは、定年退職を機に、自身の健康についてはも...

23
March
2020
投稿者:事務局

豆腐工房「安心食品の店」のこだわり

代表の伊藤則夫さんは、定年退職を機に、自身の健康についてはもちろん、「食を通じた人々の健康に貢献する仕事がしたい」と思い、これまでの職を一変。

退職前から「大豆」の栄養素に魅力を感じていた伊藤さんは、豆腐工房を営もうと決意する。

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退職後、1年かけて各地の豆腐屋さんを巡り製造方法を勉強しながら、必要な調理機器などを整え、出身地でもある大安町石榑で、空いていた農協の跡地を製造場兼店舗として借り、2010年に第二の人生をこの地でスタートさせた。

お客様との健康の「縁」を願ってつくる豆腐商品を「縁(えにし)」と命名し、豆腐の製造販売をはじめ今年で10年目になる。

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そんな伊藤さんの豆腐づくりのこだわりは、全て「天然由来の原材料」であること。

まずは、豆腐の主材料である「大豆」。

大安町石榑の自然豊かな地で、無農薬、無化学肥料、除草剤不使用にこだわり、自然農法で年間約15,000kgもの大豆を自社栽培している。

そして、伊藤さん自らが足を運び、選び抜いたという「凝固剤」には、尾鷲の海洋深層水(※1)から水分と塩(塩化ナトリウム)を除いた、ミネラル分たっぷりのニガリ(苦汁)を使用。

このニガリにわずかに残った塩分が豆乳に作用し、味を更に引き立てるという。

今回、できたての豆腐を特別に試食させていただいたのだが、大豆の甘味とニガリの塩気が絶妙にマッチして、これまで食べたことがないほどに濃厚な風味で驚いた。

(※1)海洋深層水:太陽光が届かない、およそ水深200mより深いところにある海水のこと。

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豆腐工房「安心食品の店」では、1日300丁近くの豆腐を製造。地元の産直所やスーパー、飲食店をはじめ、市内各所学校の給食センターなどへ卸している。

現在いなべ市内で豆腐の製造販売業を営む店は、「安心食品の店」を含め2軒。

子どもから大人まで、日々、豆腐「縁」を口にしている市内の人は多いのではないだろうか。

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「安心食品の店」がつくるこだわり豆腐「縁」

豊富なラインナップが揃う豆腐商品「縁」は、定番の木綿豆腐に絹豆腐、寄せ豆腐をはじめ、油揚げや厚揚げ(写真下)

一味と柚子が入ったピリ辛味の厚揚げ、豆乳ドーナッツにプリンまで…どれも絶品。

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中でも、肉厚たっぷりの油揚げ(写真下)は大中小のサイズがあり、味がよく染み込むと評判だ。

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揚げる前の工程で、生地の水分をしっかり抜き、一晩寝かせるのがポイント。

厚さはなんと2cm…そのため空洞部分が少なく、中までぎっしりと身が詰まったジューシーな油揚げに仕上がるのだ。

ピザカッターで均等に、丁寧に切り分けていく。

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そして、油揚げ一番のこだわりは、揚げ方。

低温から高温へと、3つの温度が異なる油槽で、順に揚げていく。

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まずは低い温度でじっくり揚げることで、泡が出てよりふっくらと膨らむそうだ。

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揚げ油も伊藤さんのこだわりで、桑名の「こめ油」を使用。

こめ油は、米糖と米胚芽を絞って出来た食用油で、ビタミンやミネラルなどの天然栄養成分が豊富なのだとか。

ヘルシー性や加熱安定性は、大豆やなたね油より優れているそう。

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代表の伊藤さんと共に、豆腐づくりを支える奥様の三代子さんは、油揚げを担当して10年。

「油揚げは厚みがあるため、大きくなればなるほど、揚げるのが難しい。納得のいく油揚げをつくることができるよう、10年経った今でも日々勉強」と話す。

「食」へのこだわりや、「安心なおいしいものを届けたい」という熱い想いはもちろん、豆腐づくりへの愛や探求心を常に絶やさないおふたりの姿勢そのものが、「縁」の基盤となっているように思う。

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豆腐づくりを通じて

伊藤さんは、お客様から豆腐を褒めてもらえることが何より嬉しいという。

「小さい子どもでも、豆腐は食べやすい。小さい頃から豆腐の味に親しみ、さまざまな食感を楽しんでもらいたい」と話す。

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健康の「縁」はさることながら、美味しい「食」との出会いも「縁」である。

自然豊かないなべの大地で育った大豆と、「安心食品の店」ならではのこだわりと愛がぎゅっと詰まった豆腐「縁」をぜひ一度食べてみて欲しい。

日々の食卓を彩り、幸せな食事の時間を紡いでくれるだろう。


豆腐工房「安心食品の店」

【住所】三重県いなべ市大安町石榑南432-3

【電話番号】0594-78-4102

【営業時間】10時~18時

【定休日】⽇曜日


【Credit】

〈取材撮影ご協力〉

豆腐工房「安心食品の店」代表 伊藤則夫さん

〈撮影〉

ウラタタカヒデ(鈴麓寫眞)

〈インタビュア・テキスト〉

企画部 政策課