まるで、絵本に登場しそうなカワイイ外観のお店。
きっと、オーナーもカジュアルポップなルックスの方かと思いきや……!?
昭和の古き良き時代を思い出させてくれる、芯の通った男性だ。
そう、いたいた。昔、近所にこういう情に厚く、懐が深い人が。
一見コワモテのあなたが、顔をくしゃくしゃにして「地域の人たちを大事にしたい」と語るもんだから、つい、こちらまで心を許してしまう。
多気町から移住し、去年7月にいなべ市大安町石榑東に「おうちcafe」をオープンした山川英樹さん。
開業以来、形式上のおもてなしよりも、感性と感覚で好きになってもらえる空間をつくり上げ、女性の心を鷲づかみにしてきた。
山川さんは、何事も諦めない。
かつてトラックドライバーだった山川さんは、毎週、北勢エリアで移住先を根気よく探し続けること45箇所。やっと納得のいくこの場所にたどり着けたそうだ。
メニューも、絵本の世界から飛び出したようなかわいさがある。
ランチやスイーツは、どれも「映え!」と女性が夢中になりスマートフォンで撮影してしまう。
食べるのがもったいない。もったいないけど、食べたい。あ、美味しい。
山川さんのサービス精神は、カフェ経営という枠で収まりきらない。
地域の方に協力をしてもらって、颯爽と大きなイベントを仕掛けるもう一つの顔がある。
例えばこれは、先日、お店の軒先で開催された流しそうめん大会の様子。
ただ、地域やいろんな世代の人たちに喜んでいただきたい、という一心で、竹の準備から手作業で行ったそうだ。
9月2日(日)には、2回目となるマルシェも開かれる。
食、雑貨、体験。キラキラと輝く思い出をくれる店が20以上も軒を連ねる。
▶︎ マルシェ詳細 おうちcafe Instagram @ouchicafe2600
今後「どんな人が、あの店を経営しているの?」と聞かれたら、どう言おうか?
硬派で、一本気。相手を思いやる、優しい人。
どれもあてはまりはするが、ど真ん中ではない。
……それよりも、「地域」を何よりも大切にする人という方がぴったり、かな。
取材中、山川さんは「地域」という言葉を何度、無意識で繰り返していたことか。
「先日、地蔵盆で地域の人に」とか「地域に助けてもらって」とか「地域と一緒にやることが大事で」とか「地域の人にもち付きの杵と臼を借りて」などなど数え切れない。
「私が」「僕が」を語る前に常に「地域」があった。
そういう人だ。
ここに住み続ける覚悟を持ち、地元を愛する偽りない心を持った人だ。
【Credit】
〈撮影場所〉
おうちcafe
〈取材撮影ご協力〉
山川 英樹さん
〈撮影/インタビュア〉
いなべ市役所 企画部 政策課
※一部でご本人提供の画像も使用
〈撮影場所〉
いなべ市大安町石榑東