食という観点から、その土地を感じられる場所がある。
員弁町にある珈琲茶房じゃすみんでは、通常のメニューにはない、知る人ぞ知る「ローフード」を味わうことができる。
ローフードは、生の野菜や果物、ナッツなどを中心に使用し、48度以上の加熱調理を一切行わない。
小麦粉、動物性食品、乳製品や白砂糖を使わずに調理するため、生きたビタミン、ミネラルや食物酵素を積極的に体内に取り入れることができる。
ここの店主の奥さんである鈴木友美さんは、ローフードを作ることができる、数少ない料理人の1人だ。
鈴木さんは、就職を機にいなべ市へ移住。元々食や料理に興味があり、家族の健康を考えるなかで、ローフードの魅力に出会った。
専門家の先生の下でローフードを学んだ鈴木さんは、今ではローフードマイスターの資格を取得し、優秀賞を獲得するほどの腕前。
鈴木さんが作る料理はとても色彩豊かで、食べるのがとっても楽しい。
美肌や美白効果もあるため、若い女性を中心に口コミで人気が広がっている。
メニューはすべて鈴木さん考案のオリジナル。予約を受付してから買い出し、夜中からかかる仕込みをすべて一人で行う。
前菜、スープ、メインからデザートに至るまで、メニューは豊富でボリューム満点だ。
カリフラワーをお米に見立てたり(写真下)、アボカドを使用したムースや切干大根入りのチョコレートのデザートなど、一品一品に工夫が凝らされている。
発想とアイディアに溢れる鈴木さんだが、周りの人の健康を気遣う優しい心も忘れない。
「その土地で作られたものを食べるのはとても大切なこと。食材の美味しさだけではなく、食材を見て季節を感じ、楽しむことの素晴らしさも知ってほしい。それが健康を考えることにもつながるから」
そう語る鈴木さんは、いなべ産のものを中心に、季節にあった食材を自ら探し、料理に取り入れている。
「野菜や果物の可能性を引き出せるのもローフードの魅力」
鈴木さんの料理を食べていると、野菜や果物に秘められた無限の可能性や食材一つ一つに込められた愛情までも感じることができる。
「美味しい」という一言だけでは語りきれないほどの大きな力が鈴木さんの料理にはある。
少し疲れてしまったとき、落ち着きたいときにこそ、鈴木さんのローフードを食べてみてほしい。
だってそこには「体」と「心」の栄養がぎゅっと詰まっているのだから。
【Credit】
〈撮影場所〉
珈琲茶房じゃすみん
※ローフードを食べられたい場合は事前予約が必要です。
詳細は、店舗まで直接お問い合わせください。
TEL 0594-74-2595
〈取材撮影ご協力〉
鈴木 友美さん
〈撮影・取材〉
いなべ市役所 企画部 政策課